このコロナ禍でオンライン研修を実施した、あるいは実施を検討している
という企業も増えてきています。
弊社でも様々なオンライン研修を実施してまいりました。
初めのころは、対面研修のように実施することができず
歯がゆい思いもしてきましたが最近ではオンライン研修の良さもわかってきました。
あなたも実施したいがセミナーのようになってしまい
効果が薄いのではないか?環境をどのように整えれば良いのか?など
色々と不安があるかもしれません。
環境については以前もお伝えしておりますので
オンライン研修のやり方を考える
テレワークに必要な環境整備とマネジメントの課題を解決する5つのポイント【パート①】
をご参照ください。
今回は、今までの弊社の実施経験からオンライン研修を成功させるために
・オンライン研修の重要性
・オンライン研修で一番重要なこと
・対面研修と同じ効果を出すためには
・オンライン研修のやり方
・オンライン研修終了後のポイント
といった内容をお伝えしたいと思います。
①オンライン研修の重要性
一番のデメリットは「研修を受けられないこと」
コロナ禍で弊社でも数多くの研修が中止になりました。
もちろん感染拡大を防ぐために集合研修を中止することはやむを得ないです。
しかし、例えば新入社員研修など、毎年実施していた研修が中止となると
そこで学習機会の格差が生まれます。
そして、その差は埋まることがありません。
研修には知識などを得る目的もありますが
実は研修中のワークショップやディスカッションなどで仲間意識を育み
連帯感を強める効果もあります。
この機会が失われ、テレワークが増えてくると
いわゆるワーク・エンゲージメントが低下し
会社への愛着も生まれず離職率も上がってしまいます。
ワーク・エンゲージメントについては後日お伝えします。
そして、オンライン研修ならではのメリットと言えば、均一な教育機会の確保でしょう。
対面研修ですと、全国一律で同じ内容、同じ講師で実施となると
コストがかさみますがオンライン研修では、それが容易にできます。
また、受講者の皆さまの移動のコストもかかりませんので
トータルで見ればオンライン研修の方がコストをかけずに済みます。
いいことだらけのように思えるオンライン研修ですが
冒頭にもお伝えしたように「オンライン研修だと効果が無い」「セミナーと大して変わらない」
といった感想も聞きます。
オンライン研修には注意する点もあります。
②オンライン研修で一番重要なこと
オンライン研修は事前準備で決まる
「段取り八分」という言葉がありますが
オンライン研修ほど、この言葉が当てはまるものは無いと思います。
通信環境の確認、操作の練習、機材の確認と準備、トラブル発生時の対応方法など
事前に色々と確認する必要があります。
通信設備やパソコンなどの機材にトラブルがあった場合には
そもそも研修自体がご破算になりかねません。
環境が整っても、機材やシステムを使えなければスムーズに研修を進めることができず
集中することができません。
そうならないためにも、事前に操作方法の練習をする時間を設けた方が良いです。
弊社では事前にマニュアルの配布と無料で操作方法の練習時間を設けておりますが
そういったトラブルの経験から無料でも実施した方が良いと判断しました。
また、機材ですが、講師はもちろんパソコンですが
受講者の皆さまもできればパソコンが望ましいです。
どうしてもスマホやタブレットになってしまう場合には
スライドの作り方を工夫しましょう。
PC画面
スマホ画面
見え方が違うため、スライドが見えない
またパソコンだとスライドと講師の顔が一つの画面で見えますが
スマホの場合、別の画面になってしまうため
「今はスライドを見るべきか?講師の画面を見るべきか?」といった判断に迷う時があります。
事前にパソコンで受講するのか、スマホの受講者もいるのか確認しましょう。
③対面研修と同じ効果を出すためには
研修会場を創り出す
オンライン研修と対面研修の大きな違いは「同じ場所に居るか」どうかです。
対面であれば会場に集まっているので「同じ場に居る仲間」
という意識は作りやすいですがオンライン研修だと難しいです。
ですので、必ずカメラとできればマイクもONにしておいた方が良いです。
雑音が入る場合はマイクのOFFは必要だと思いますが
「同じ空間に居る」「研修会場を創り出す」という点で考えればカメラもマイクもONです。
カメラもマイクもOFFにすると、どうしても緊張感が薄れます。
これでは研修効果は出せません。
そして、対面研修以上に重要なのがアイスブレイクです。
これは何か特別な事をする必要は無く、簡単なことで大丈夫です。
例えば講師と同じ動作をする、両手で〇を作る、など全員で簡単にできる動作でいいです。
年始に放送された教場Ⅱというドラマで、全員で拍手をする、というシーンがありましたが
オンライン研修のアイスブレイクにも使えるな、と思って見ていました。
重要なのは全員で同じ行動をして共通体験を最初にする、ということです。
画面を通して全員が一斉に同じ行動をすると「同じ場所に居るんだ」という感覚になりやすいです。
この「同じ場所に居る」という感覚を早い時間に創ることが大切です。
④オンライン研修のやり方
オンライン研修ではYouTuberのように
YouTubeをご覧になったことは一度はあると思います。
有名なYouTuberの動画をご覧になったことはありますか?
かなりテンポよく早口だと思います。
ジェットカットと言われる「えー」とか「あのー」などといった
「間」をばっさりカットしていることもありますが
オンラインではテンポも重要です。
そして大半の動画は10分~20分以内で終了します。
つまり、短くテンポよく進めないと集中力が持たないのです。
10分ぐらい早口で話して、ティスカッションなどの時間を設け
1時間ぐらいで休憩を入れるぐらいの感覚が丁度良いと今までの経験から思います。
動画であれば編集すればテンポは作れますが、オンライン研修だとそうもいきませんので
「早口で10分ぐらいで話してディスカッションに持ち込む」
という意識でやるとちょうどいいかもしれません。
④オンライン研修のやり方
ディスカッションを多めに取り入れよう
オンライン研修ではディスカッションがメインになると思います。
Zoomのブレイクアウトルームなど一時的に遮断されることもあるので
ディスカッションも積極的に様子を見て回り「後で発表してもらいます」と必ず伝えて
ディスカッション終了後は一部でも良いので必ず発表してもらいましょう。
こうしないとディスカッションに緊張感が生まれにくいので
ディスカッション後の発表は必ずセットにしてください。
そしてグループ分けの注意点ですが、一つのアカウントで一人、という状況であれば良いですが
中には一つのアカウントで複数人が居る、という状況もあります。
その際は、ただ単純にアカウント数で振り分けてしまうとディスカッションがうまく進みません。
弊社でも実際にありましたが、複数人居た場合どうしても内輪だけで話してしまいます。
そういった場合は一つのアカウントで一つのグループとして振り分けた方が上手くいきます。
最後に、講師の他にシステムを操作する人が居た方がスムーズに進めることができます。
講師がシステムの管理も行うとなると
慣れればできますが最初のころはチャットに気づかなかったりグループ分けに手間取ったりと
テンポが悪くなることが多いのでシステムを操作する人を一人入れた方が良いです。
⑤オンライン研修終了後のポイント
研修終了後は必ず交流会を
オンライン研修の重要性でもお伝えしましたが、研修は仲間意識を作ることも重要です。
それは研修中のコミュニケーションだけでなく、ちょっとした受講者同士の雑談も重要です。
オンライン研修だと、休憩中のちょっとした雑談もなかなかできなかったりするので
あえて研修終了後に機会を設けることも重要です。
質疑応答の時間として、しばらく接続を切らないでおく、といったことでも良いですし
思い切って交流会としてオンラインで会食するのもアリだと思います。
そういった場合はZoomなどよりも「Remo」といった交流会に向いているツールもありますので
ツールを変えて実施しても良いと思います。
できれば一体感を出すために食事をあらかじめ各会場や自宅に届けておくと
「同じ釜の飯を食う」ではないですが、さらに一体感は高まります。
こうしたコミュニケーションの場を設けることが後々
部署を超えたコミュニケーションや意思疎通の差として出てきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
オンライン研修はまだまだ成熟しておらず試行錯誤の時期だと思います。
弊社も様々な形で実施し、その中で得た経験を基にオンライン研修のやり方を考えてきました。
できればオンライン研修の前に事前学習で動画を見てもらい
そこで色々と感じたり考えたうえでオンライン研修を受講すると効果が高まります。
まずは事前準備をしっかり行い、実施しながら考えていく必要があると思います。
もちろんオンライン研修では限界もあります。
車の教習所をイメージしてもらうとわかるかと思いますが
学科はオンライン研修でできても、実地はオンラインでは難しいです。
VR技術がもっと安く一般的になれば、もう少し変わると思いますが
まだまだ環境が整っていませんので実地訓練は別で考えた方が良いでしょう。
なかなか社内で実施するのは難しい、どのように研修内容を考えればいよかわからない
といった場合は弊社にご相談ください。
相談は無料で行っておりますので、じっくりと準備して考えていきましょう。
マニュアルも操作練習も無料ですので安心してください。
投稿者プロフィール
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11 年間会社の総務人事担当者として、労務管理や社員教育などを担当。
株式上場チームにも所属し、その際、内部統制構築、内部監査
子会社統括管理の担当者となる。
その後、研修会社に転職し日本全国で延べ2,000 時間以上の社員研修の実施に携わる。
2016 年に株式会社アーシブ設立。
リーダーシップやマネジメントの企業研修講師を行い
介護施設の離職率を20%から6%に下げ
ホテルでは新入社員の離職率が50%前後だったのを1年で11%
2年目は7%にするなどの成果を出している。
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