リスク管理と生産性向上

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なかなか事故が減らなくて・・・

どうやったら生産性が上がるんでしょうか?

こういったご相談は多いです。

リスク管理と生産性向上、相反する事ですが、実は根底にある考え方は似たところがあります。
ところで、忘年会(望年会としているところも多いですね)で、お酒も手伝って色々な意見が出ませんでしたか?

そこで出た話しを覚えてますでしょうか?

今回はリスク管理に焦点を当ててお話したいと思います。

起きてしまった事故の対策を考えても遅い?

もちろん起きてしまった事故を今後起こさないための対策は必要です。

しかし、事故が起こる前に、ちょっとした問題や不安など話しが出ていたと思います。

一見無関係に見える事柄が実は根底にある問題だった、というのは良くある話しです。

最近では札幌市平岸で大変なガス爆発の事故がありました。

死者が居なかった事が不幸中の幸いでしたが、この事故で怪我や家屋に被害を受けた周辺住民の方には心よりお見舞い申し上げます。

この事故を防ぐことはできなかったのでしょうか。

ガス抜きが根本の原因ではない

報道から今回のガス爆発の事故について明らかになってきましたが、確かに120本もの消臭スプレーを一気に噴射すれば、こういった事故が起こる可能性が高いことは想像に難しくありません

しかし、本当に問題なのは、なぜ120本もの消臭スプレーを処分しなければならなかったのか?が問題なのです。

消臭代として料金を徴収していたにもかかわらず、施工されていない事があることは認識していた、と社長の発言もありました。

過剰なノルマ、という報道もありますが、ここでは「 消臭代として料金を徴収していたにもかかわらず、施工されていない事がある 」という事について考えたいと思います。

なぜ施工できないのか?を放置してはいけない

これは想像でしかありませんが、できない状態が当たり前になってしまい、あまり考える事が無かったのではないでしょうか。

施工できないことがある、という問題を放置した結果が、今回の悲惨な事故に繋がったと言えると思います。

では、どうやったら施工できるのか?ということを皆で知恵を出し合って解決しなければなりません。

繁忙期はアルバイトを雇って消臭スプレーを設置してもらう、効率的に物件を回るためにルートを決めて回る、そもそも、この本数が適正なのかを見直す、などなど色々対策はできたはずで、対策を取っていればこのような事故はおきなかったのではないでしょうか。

ちょっとの問題を放置すると何倍にもなって帰ってくる

今回の事故で被害を被った方へは全額保証を検討する、との発表もありました。

今回の事故の金銭的な負担額はわかりませんが、対策にも金銭的な負担はかかりますが、補償金額よりは安く済んだのではないでしょうか。

そして、施工ができないのがわかっていながら料金を徴収していたのであれば詐欺の疑いも出てきます。

何より、アパマンショップの店舗数は日本一らしいですが、今後アパマンショップで物件を探そうとする人がどれだけ居るでしょうか?

大したことのないような事を、大したこととして捉えなければなりません。

今回のようなケースは実は多くの企業であることだと思います。

最初に望年会で出た話しを覚えていますか?と質問させていただきましたが、実はこういった何気ない会話に重要なヒントが隠されている事が多いです。

ハインリッヒの法則

こちらは、このブログをここまで読んだあなたであれば聞いたことがあると思いますが

1つの重大な事故の背景には29の軽微な事故があり、さらにその背景には300のインシデント(ヒヤリハットと呼ばれることも)がある、という法則です。

ここで重要なのは1つの重大な事故ではなく、300のインシデントの方です。

このインシデントをどれだけ集められるか?がとても重要なのです。

実は生産性向上も同じです。

どうやったら時間を短くできるか?無駄な作業はないか?などテーマを決めて、できるだけ多くのアイデアを出すのです。

アイデアは質ではなく量です。どんなにくだらないと思えるアイデアもどんどん出していきましょう。

くだらないアイデアが画期的な改善を生み出すことは良くあることです。

先日、少しテーマは違いますが毎月研修を実施させていただいている訪問看護ステーション様で「最後をどこで迎えたいか?」というテーマで考えをたくさん出していただきました。

意外なことに「自宅」と「病院」がほぼ同数だったのです。

なぜ「病院」が多いのか、をさらに考えていくと「家族に迷惑をかけたくない」という考えが根底にあることがわかりました。

そこから実際に問題を抱えている利用者様の改善策も出てきました。

アイデアがたくさん出てくると、周りの考えもわかりますし、コミュニケーションが活性化されます。現場からアイデアを出すことが本当の生産性向上に繋がります。

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    中山 大輔
    中山 大輔株式会社アーシブ 代表取締役・日本メンターコーチ協会 認定コーチ
    11 年間会社の総務人事担当者として、労務管理や社員教育などを担当。
    株式上場チームにも所属し、その際、内部統制構築、内部監査
    子会社統括管理の担当者となる。
    その後、研修会社に転職し日本全国で延べ2,000 時間以上の社員研修の実施に携わる。
    2016 年に株式会社アーシブ設立。
    リーダーシップやマネジメントの企業研修講師を行い
    介護施設の離職率を20%から6%に下げ
    ホテルでは新入社員の離職率が50%前後だったのを1年で11%
    2年目は7%にするなどの成果を出している。

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