コーチングの効果的なやり方とは?部下を成長させる5つのポイント【パート②】

パート①はこちら

ポイント4:ダメな「質問」4選

コーチングと言えば「質問」を連想される方が多いと思いますが

「質問」はコーチングの真骨頂とも言えます。

しかし「質問」は諸刃の剣で、使い方を間違えると簡単に相手の

モチベーションを下げてしまいます。

先ほどのポイント2でのやり取りを少し変えた例を出しますと

あなた「最近また成績が下がっているぞ、どうしていつもそうなんだ?」

部下「すいません…営業活動はしてるんですけど、なかなか見積もりまでいけなくて…」」

あなた「1日何件回ってるんだ?テレアポは何件かけてる?毎日どんな仕事してるんだ?」

部下「いや…個人目標に掲げた数はこなしているんですが…」

あなた「つまり当初の目標では足りないということだな?倍に増やしてみたらどうだ?」

部下「はい…頑張ります」

さて、このやり取りを見て部下は目標を達成できると思いますか?

このような質問では部下はどんどん委縮しモチベーションはダダ下がりです。

例ではダメな質問を全て出しています、それが

こちらになります。

「質問」はあなたが答えるためではありません。

重要なのは

「答えではなく、相手に気づきを与え自ら解決策を考えられる良質な質問」

です。

では先ほどの例を変えてみましょう。

あなた「最近また成績が下がっているぞ、何か問題でもあった?」

部下「すいません…営業活動はしてるんですけど、なかなか見積もりまでいけなくて…」

あなた「そうか、個人目標で掲げた数はこなせてる?」

部下「はい、一応こなしてるんですが…」

あなた「なるほど、ちゃんと目標は達成できてるんだね。では何が足りないんだろう?」

部下「…プレゼンのやり方を変えた方がいいかもしれません」

あなた「それは試す価値があるね、作り直したら一度チェックしてみようか?」

部下「はい、お願いします」

あなた「いつまでに資料を作れる?」

部下「今週中に作成します」

あなた「では、来週月曜日は予定空けておくから頑張ろう」

部下「はい、頑張ります」

これもわかりやすくするために誇張した表現となっていますが

前とは全く違うことがわかると思います。

質問のポイントは

・過去ではなく、未来に向かってポジティブなものでなければならない

という事です。

これにはポイント2でお伝えした「相手を信じる」という事ができなければ

こういった質問はできません。

また、良質な質問はポイント1でお伝えした目標を見つけるためにも有効です。

これは私が就職の内定をもらった学生にコーチングをした話しですが

何を訊いても

こんなネガティブな答えしか返って来ませんでした。

しかし、なぜ公務員にこだわるのですか?と質問をすると

このようにパァッと表情が明るくなり

という答えが返って来ました。

さて、こんな答えが新入社員から帰って来たらどうでしょうか?(笑)

しかし、ポジティブに返ってきた答えは深掘りした方が良いことが多いです。

1時間ほどコーチングしたので詳細は割愛しますが

彼女には環境問題を世界中に訴えたい、という自分でも気づいていなかった

思いがありました。

彼女自身とても喜んで、コーチング内容を一生懸命にメモしていました。

滑り止めで受かったような就職先が、自分の目標に繋がることがわかり

モチベーションも上がっていました。

質問にはこういった効果もあります。

そして、ポジティブな質問を続けることによって

会社の雰囲気もポジティブに変わっていきます。

この雰囲気は馬鹿にできません。

なぜなら生産性に直結するからです。

「質問」は未来へ向けてポジティブな質問を続けることによって

会社の雰囲気が変わり、生産性も向上していきます。

ここで「質問」のポイントをまとめると

・相手の話しを「深める」「広げる」質問

・相手の中にある「可能性を探る」ための質問

・相手の頭を「整理」する質問

・相手の「視点を変える」ための質問

・(最後に)決断を促すために質問する(背中を押す)

といった「質問」が有効です。

そして「傾聴」中は「質問」を考えず

どんな答えが返ってきても真摯に一旦受け止めてあげてください。

即否定することは最大の悪手です。

ポイント5:「承認」を難しく感じてませんか?

「承認」って難しいですよね、というお話をよく聞きます。

おそらく「承認」=褒める、と勘違いされている方が多いのだと思います。

では「承認」とはどんな意味なのでしょうか?

辞書を引いてみますと

1.そのことが正当または事実であると認めること。

2.よしとして認め許すこと。聞き入れること。

3.国家・政府・交戦団体などの国際法上の地位を認めること。

とあります。

3は私たちにはほとんど関係ありませんが

認めること、とあります。

つまり「承認」=褒める、ではないのです。

ただ、聞き入れて、認めるだけなのです。

「ちゃんと仕事しているね」

という言葉も「承認」ですし

「おはよう」と挨拶することも「承認」です。

※挨拶をするという事は、相手の存在を認めていることになる

研修では承認チェックテストという50問の設問に答えていただきますが

この中に、褒めてますか?、という設問は2問しかありません。

そして一番重要なのは、その設問の中に、叱ってますか?、という設問があることです。

「承認」と真逆の事だと感じるかもしれませんが、叱る、も「承認」なのです。

もちろん、きちんと叱らなければなりませんが

もし、叱るべきことをパワハラを恐れて叱らなければ

それは相手を無視したことになります。

特に今は承認欲求という言葉が広く使われていますので

あなたも意識しているかもしれません。

なぜ今こんなにも「承認」が求められているのかというと

SNSの普及もありますが、人間には8つの欲求があると言われています。

この物やサービスが溢れている時代では、ほとんどの欲求が満たされています。

唯一満たされないのが

8.「自己の重要感」

です。

しかもこの「自己の重要感」は強烈な渇きを覚えます。

ですので「承認」ということが非常に大きな影響を会社にも与えるのです。

この「承認」も会社の生産性に大きな影響を与えます。

これは過去のホーソン実験やプロジェクトアリストテレスでも証明されています。

しかし「承認」は誰にでも簡単にできます。

・ただ事実を伝えるだけ(「○○をやってくれたんだね」「目標を達成できたね」など)

・挨拶をする(ただしきちんと相手を見なければ効果は無い)

・褒めるべきタイミングで褒める(タイミングを逃すと裏があるんじゃ?と思われる)

ただ褒めるのは日本人にとってはなかなか難しいことですし

結果が出なければ褒められません。

結果が出なかったとしても「ここまではできたね」と事実を伝えてください。

この「見ている」の効果は馬鹿にできません。

生産性に大きな差が出てきます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

コーチングはテクニックを紹介しているサイトはたくさんありますが

テクニックだけ駆使してもなかなか成功はできません。

現在は筋トレブームですがコーチングも同じです。

日々実践して自分を鍛えていくしかありません。

コーチングを使う相手は人間です。

人間は理屈では動きません、感情で判断し行動します。

理屈で決めたと思っていても実は感情で判断していることが多いのです。

人間というのは基本

①全ての人は程度の差はあるが自分本位である。

②全ての人は自分に最も強い関心を抱いている。

③全ての人は自分が重要だと感じたがっている。

④全ての人は他人に認められたいと思っている。

と思っています。

私もそうです。

ですから、しっかり「傾聴」してくれる相手には好意を持ちます。

「承認」してくれる相手の期待には応えたい。

自分の考えを広げ深めてくれる「質問」をしてくれる相手は尊敬します。

コーチングはテクニックを知ってもすぐにできるものではありません。

上手くいかなかった、とすぐに諦めるのではなく

日々トレーニングだと思って続けてください。

メジャーリーガーでも打率3割で一流です。

少し上手くいかなくても、トレーニングを続けることで

一流のコーチに必ずなれます。

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投稿者プロフィール

中山 大輔
中山 大輔株式会社アーシブ 代表取締役・日本メンターコーチ協会 認定コーチ
11 年間会社の総務人事担当者として、労務管理や社員教育などを担当。
株式上場チームにも所属し、その際、内部統制構築、内部監査
子会社統括管理の担当者となる。
その後、研修会社に転職し日本全国で延べ2,000 時間以上の社員研修の実施に携わる。
2016 年に株式会社アーシブ設立。
リーダーシップやマネジメントの企業研修講師を行い
介護施設の離職率を20%から6%に下げ
ホテルでは新入社員の離職率が50%前後だったのを1年で11%
2年目は7%にするなどの成果を出している。

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